こんにちは
先日更新しました、訪問歯科診療についての記事はいかがでしたでしょうか
これからますます需要が高まるであろう訪問歯科診療・・・今後も宮本歯科の訪問チームは地域の皆様のお力になるべく尽力して参ります
宮本歯科への訪問歯科診療のご依頼は受付窓口にてお伺いしておりますので、まずは一度お問い合わせくださいね

さて、本日は予告通り、宮本歯科の歯科衛生士訪問主任 近藤 をGUESTに迎え、「オーラルフレイル」についての理解を深めようと思います
また今回は近藤さんの目指す日本老年歯科医学会認定歯科衛生士についてもお聞きしています
(掲載写真は訪問診療のイメージです。本記事内容に特別な関わりはありません。)
訪問診療車 ブログ用




今回もよろしくお願いします。
前回のお話の中で出てきた「オーラルフレイル」ですが、ぜひどういった考え方なのか知りたいのですけれど、ご説明願えますでしょうか?

近藤
よろしくお願いします。
はい、まず「フレイル」という言葉ですが、2014年に日本老年医学会が提唱した言葉で、「frailty」という「虚弱」を意味する英語が語源です。
人は誰もが加齢に伴い、 健康→フレイル(虚弱)→要支援・要介護 という経過をたどります。つまり、「フレイル」とは加齢に伴う筋力や心身の活力が低下した状態を指し、健康な状態と要支援・要介護の中間を意味しているのです。「オーラルフレイル」とは「フレイル」の概念の中のひとつで、その症状は「フレイル」の手間にある「プレフレイル」に現れます。

そうなんですか。では「オーラルフレイル」の症状を知り予防する事は、健康を保つ為にかなり重要なポイントになるということですね。
具体的にはどのような症状が出るのでしょうか?

近藤
そうです。具体的には、食事でよく食べこぼすようになったり、かたいものが噛めなくなったり、むせることが増えたり、滑舌が悪くなったりと些細に思えるようなお口のトラブルです。
こうした状態が続く場合は「オーラルフレイル」の可能性が考えられます。
些細に思える変化ですが、それに気づくためには短期間ではなく1~2年の中期間で行動を比較する必要があります。
今言ったお口のトラブル以外にも、1回の食事で食べる量が減っている、体重が減少した、外出する機会が減り人と会うのが億劫に感じるなど、「フレイル」を早期発見するためには、ご自身が「フレイル」の知識を持ち、日常生活の小さな変化に気づけるように心掛けることが大切です。
「オーラルフレイル」は“老化のはじまりを示すサイン”として注目されるようになりました。「フレイル」の前段階とも言え、「オーラルフレイル」の状態は日常生活に大きな支障をきたすことはありません。しかしながら、歯と口の機能低下は、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)や運動器症候群(ロコモティブシンドローム)の前兆と捉える事もでき、「オーラルフレイル」の予防が全身の健康維持に繋がると言えるのです。

そうなんですね。では、その予防にはどうしたら良いのでしょうか?

近藤
「フレイル」の予防には三本柱があり、 1.運動 2.食事 3.社会活動 です。
この3要素を平均的に行えることが理想的です。

なるほど。具体的にはどのようなことを行なえば良いですか?

近藤
まず「運動」ですが、ウォーキングや軽いスクワットなど筋力トレーニングをするなどです。「食事」は、加齢に伴い不足しがちなタンパク質を積極的に補うように心掛けること、「社会活動」では、ボランティア活動などで地域社会とのかかわりを持つようにすることですかね。
この予防の三本柱は、「オーラルフレイル」予防も全く同じ要素です。「オーラルフレイル」の予防とするならば、「運動」はよく噛んで口を動かすこと、「食事」はタンパク質やビタミン類を意識して摂取しバランス良く食べること、「社会活動」は人と会って話す、どこかへ出掛けることなどですね。

「フレイル」を予防するには、自分自身の心掛けはとても大切なのですね。

近藤
そうです。「オーラルフレイル」により、口腔機能が低下する事は、身体的な衰えだけでなく、患者様の精神的・社会的な側面にも影響を及ぼします。また、「オーラルフレイル」の予防は前回お話した誤嚥性肺炎の予防にも繋がります。
早期発見・予防の為にもご自身がまずは正しい知識を持つこと、また健康な状態を維持できるよう、かかりつけの歯医者さんを持ち、定期的な検診やクリーニングを受ける事はとても大切だと思います。

歯医者さんの行う口腔ケアは全身の健康維持に密接な関係を持っているのですね。
特に訪問診療に関わっている近藤さんだからこそ、加齢に伴い引き起こされる「オーラルフレイル」について考える機会はたくさんありそうですね。

近藤
はい。患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ・・・以前ブログでご紹介していますのでよろしければご覧下さい★)に大きくかかわる部分ですから、これからも知識を深め、発信していきたいと思います。

ありがとうございました。
では続いて、近藤さんの目指す日本老年歯科医学会認定歯科衛生士についてお聞きしたいと思います。
認定歯科衛生士とは、どのような歯科衛生士をさすのでしょうか?

BlogPaint


前編はここまで
後編では認定歯科衛生士について詳しくお聞きします
お楽しみに