こんにちは
前回のインタビュー記事、いかがでしたでしょうか
今回も引き続き 歯科衛生士訪問主任 の 近藤 と 二村 の2名をGUESTとし、前回の続きから、ACLSの資格と今後の日本社会において歯科衛生士ができることをお聞きした後編をお送りしますね
(掲載写真は訪問診療のイメージです。本記事内容に特別な関わりはありません。)
そういえば、お二人ともACLSの資格を持ってらっしゃいますが、それもこういった学びの延長として取られたのですか?
ブログを読んで下さっている方は、ACLSといっても聞きなれない資格かと思うので、どのような資格なのかもお教えくださいますか?
二村
はい、まずACLSとは二次救命処置(Advanced Cardiovascular Life Support)です。二次心肺蘇生法ともいいます。気管挿管や薬剤投与といった高度な心肺蘇生法を学びました。
具体的には、脳卒中を発症した人への対応や、心肺停止の患者様への対応・心電図の読み取りもできるようになりました。
資格を取ったのは、私は訪問担当医である佳宏先生のすすめがあった為です。訪問診療に携わるからというよりも、医療人として、持っていて損はないと私も感じました。外来でも訪問診療でも患者様の急変時には対応できるだけの勉強をした証なので、やっぱり自信にはなりますね。
近藤
ちなみにACLSはBLSの有資格者でなければ受講できません。
BLSとは一次救命処置(Basic Life Support)です。成人や乳幼児への心肺蘇生法、気道異物の除去や、AED(自動体外式除細動器)での除細動を学びます。
資格取得をしたのは、歯科衛生士単独で訪問歯科診療へ行くことがあるので、独居の患者様の口腔ケアをする際、患者様と私しかいないという状況で、万一何か起きた時にその場で可能なできる限りの処置ができるようになりたいと思ったからです。
実際には生命の危機となる事態が起こらないことが一番ですが、どんな場面でも現実に起こりうることですからね。
なるほど。万一の事態に備える・・・そういった意識は、宮本歯科に勤める全員にほしいものですね。
今まで院内勉強会などでも講師をしていただいていますが、これからも定期的に指導をお願いします。
近藤
そうですね。資格取得の際当然ながら実技もあるので、無資格の方と有資格者では万一の事態に動けるかどうかは圧倒的に違いが出るとは思います。けれど、知識として耳に入れるだけでも、不測の事態への心構えができますからね。
こうしてお話を聞くだけで身の引き締まる思いが致しますね。
最後に、これからますます高齢者の多い社会がすすんでゆきますが、その中で歯科衛生士という立場から患者様のためにできることはどんなことが考えられるでしょう?
二村
口腔ケアを私たち歯科衛生士が行っていく事で、高齢者の方のQOL(クオリティ・オブ・ライフ・・・以前ブログでご紹介していますのでよろしければご覧下さい★)を向上させるお手伝いができると思います。
適切な口腔ケアは、自分らしく最期を迎えるお手伝いとも言い換えられるかもしれません。
その可能性を信じてこれからも職務を全うしたいと思います。
近藤
日本社会の高齢化に伴い、要介護高齢者も年々増加していくのに比例して、訪問歯科診療のニーズは高まると思います。実際に、日本人の死因別死亡率の第四位は肺炎ですが、要介護高齢者の第一位は肺炎です。その中でも多いのが誤嚥性肺炎といわれています。
口腔内の環境が悪化していると、口腔内の細菌が肺に落ち込んで誤嚥性肺炎の発症率が高まるのです。
日常的口腔ケアと定期的な専門的口腔ケアの徹底は、口腔内の病原菌を減らすだけでなく、口腔への刺激により嚥下機能が回復して、食事が進むようになり、栄養状態が改善します。ひいては、免疫力が向上して肺炎の予防につながることが実証されています。
また、近年では「オーラルフレイル」という新しい考え方も普及しつつあります。
口腔ケアのもたらす健康へのメリットは、まだまだ無限の可能性が秘められています。私たち衛生士が命を守る、というのは大げさですが、微力ながら、患者様のお力になれればと思っておりますので、これからも尽力いたします。
お二人とも、ありがとうございました。今後もさらなるご活躍期待しております。
近藤さんのおっしゃった「オーラルフレイル」は今注目の考え方ですよね。
次回詳しくご紹介させてください。
お読みいただきありがとうございました
またまた長くなってしまいましたが…
次回は近藤さんに「オーラルフレイル」について詳しくお聞きしたいと思います
お楽しみに