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介護保険施設の中には特別養護老人ホームや介護老人保健施設がありますが、どちらも協力歯科医療機関というものを立てて、かかりつけ歯科医院が無くても必要時にスムーズに歯科受診ができるようにしておくことになっております(努力義務規定)。

今回、当院が特別養護老人ホームなごやかハウス名楽様の協力歯科医療機関として指定して頂けることになり、「特に誤嚥性肺炎のリスクが高い方」や「重度の認知症で歯科的対応が困難なケース」を始めとして当院が名楽様のサポートをさせて頂ける事になりました。

そこで、まずは看護・介護スタッフ等の方々を対象に口腔ケアの重要性についての勉強会を開かせて頂けることになり、私が登壇させて頂きました。21名もの職員の方に集まって頂き、質疑応答も沢山して頂けたのですごく嬉しかったです。

質問の中で「何故、当院はみな認知症の方への歯科対応がすごく上手なのか。特別な勉強会や研修会などに行っているのか。」というものがありました。

当院から訪問診療に出ている歯科衛生士はいきなり利用者様の所に行って処置を始めたりせず、まずは看護・介護スタッフと適切に連携を取ってから利用者様の居室へ伺い、全身状態の評価・把握をした上でその時に最善と考える介入方法で対応させて頂いております。

重度の認知症のケースを拝見させて頂いていると、中には本当にどうやっても対応が困難なケースにぶち当たる事もあります。

我々は歯医者であり、認知症対応では現場の看護師・介護士には絶対に敵いません。なので、その時には介護スタッフが口腔ケアを行う様子を見学させて頂き、教えて頂きながら介入しています。看護師・介護士こそ認知症対応の先生ですから。

口腔と健康についての専門家と介護の専門家がタッグを組める環境だからこそ、より良いケアが行えるのだと思います。そんな環境を作ってくれる、周りの仲間たちに感謝です。

宮本佳宏